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税理士日記

税理士日記

新年 ご挨拶

2018/01/04 08:43:53

新年 ご挨拶

 新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。皆様のお役に立てるよう、一生懸命がんばります。

貸金業者との和解が債務免除に該当(裁決)

2017/12/27 16:33:18

貸金業者との和解が債務免除に該当し、第二次納税義務へ(裁決)

 貸金業者との和解が債務免除に該当し、第二次納税義務にあたるとした興味深い裁決をご紹介します。
 過払金の返還請求を受けた貸金業者が債務者と和解し、和解金を支払ったことが「債務免除」に当たるとして、第二次納税義務の対象となるか否かが争われていた審査請求事案で、国税不服審判所は「債務の免除を受けたと認められる」として、一部を除き納税者の請求を棄却しました(平成29年3月24日裁決)。
 貸金業を営む請求人Xは、債務者Aとの間で金銭消費貸借取引を行いました。Aは本件取引に係る過払金の返還請求を行い、平成22年8月に和解が成立しました。Xは和解金をAに支払いました。平成27年、原処分庁はAの滞納国税を徴収するため、本件和解が国税徴収法39条(無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務)に規定する債務免除に該当するとして、Xに対し第二次納税義務の納付告知処分を行いました。
 Xは、本件和解は債務免除には当たらないとして審査請求しました。これに対し審判所は、「本件和解は、Aが和解金の支払を受けることを停止条件として、Xが負う過払金返還債務を免除する旨の合意を含む契約であり、このような契約による免除も国税徴収法39条の債務免除に含まれることは明らか」とした上で、和解金の支払が履行され、Xが実際に免除を受けた金額も確定できること等からすれば、本件和解による債務免除は、債務免除としての実質を有するものと評価でき、国税徴収法39条に規定する債務免除に該当すると判断しました。
 
 これでは、こわくて貸金業者の方も和解できません。そのリスクも飲み込んで和解するということでしょうか。

富裕層の税務調査

2017/11/22 14:28:56

富裕層の所得税調査

 プロジェクトチームや資料情報により富裕層の継続管理を進める国税庁は、平成29年6月までの1年間の所得税調査においても、富裕層に対して前年度とほぼ同じ4,188件の実地調査を行い、その約8割の3,406件で非違を見つけ、441億円の申告漏れ所得金額に対して127億円を追徴課税したことを明らかにしました。
 1件平均でみると、実地調査全体では追徴税額は154万円ですが、富裕層は2倍の304万円となります。累進税率の所得税で富裕層の税額が大きくなるのは当然ですが、海外取引をしていた富裕層478件に限ってみると、1件平均の追徴税額は772万円で全体平均の5倍に膨らみます。
 調査事例をみると、(1)外国法人からの配当等があったのにかもかわらず意図的に申告していなかった東京国税局管内のケース、(2)外国からの情報交換資料を端緒に多額の利子などの申告漏れが見つかった広島国税局管内のケース、(3)海外不動産の譲渡所得を申告除外していた大阪国税局管内のケースなど、非違は全国に広がっています。(1)は国外送金等調書を端緒に把握したもので、追徴税額は重加算税込みで約7,000万円。(2)は国外財産調書や財産債務調書の提出がなかったため、加算税5%が上乗せされ、追徴税額は約2,900万円。(3)も国外送金等調書が端緒となり、重加算税込みで約400万円が追徴課税されました。

 富裕層の皆さんは、この度の所得税改正においても風当たり強そうです。また、国外財産なども管理されつつあります。しっかり納税せよということでしょう。

休眠会社等の整理

2017/10/23 18:32:41

ほっておくと休眠会社などの登記が整理され、みなし解散

 法務省は10月12日、休眠会社等の整理作業を行うため、12年以上にわたって登記のない会社や、5年以上登記のない一般社団・一般財団法人について、法務大臣の公告を行うとともに、該当する休眠会社等に管轄登記所からその旨の通知書を発送しました。
 これは、会社法により、株式会社の取締役の任期は原則2年、最長でも10年とされており、取締役の交替や重任の場合にはその旨の登記が必要となります。したがって、取締役の任期毎(少なくとも10年に一度)に取締役の変更の登記がされるはずであります。また、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律により、一般社団法人や一般財団法人の理事の任期は2年とされ、同様に少なくとも2年に一度、理事の変更の登記がされるはずであり、長期間登記がされていない株式会社や一般社団法人、一般財団法人は既に事業を廃止し、実体がない状態となっている可能性が高いというのが今回の公告の理由です。休眠状態の株式会社や、一般社団法人、一般財団法人の登記をそのままにしておくと、商業登記制度に対する国民の信頼が損なわれると続けています。
 公告により、これらの休眠会社等は、公告の日(10月12日)から2か月以内となる本年12月12日までに、「まだ事業を廃止していない」旨の届出や役員変更等の登記の申請をしないと、みなし解散の登記がされます。

事業に行き詰まり、実態がなくなっている会社が、たくさんあります。これらが登記上整理されることは、よいことであると思います。みなし解散はよいのですが、清算はされないようです。会社を消滅させるには、清算結了登記をしなければなりません。

役員退職慰労金

2017/09/25 15:37:36

役員退職慰労金の損金算入

 役員退任後に報酬が激減したにもかかわらず、引き続き経営に関与しているとして役員退職慰労金の損金算入が否認された事案で、東京地裁は納税者の主張を斥け、税務当局の処分を適法と認める判決を下しました(平成29年1月12日判決)。
 原告X社は、前代表者甲の退任に伴い支払った退職慰労金は損金算入されるべきであったとして更正の請求を行いましたが、税務署長は更正すべき理由がない旨の通知処分を行いました。
 X社は、甲の月額報酬は退任前の約3分の1に激減しており、これは役員退職給与の要件を定める法人税基本通達9−2−32の(3)「分掌変更等の後におけるその役員の給与が激減(おおむね50%以上の減少)したこと」を充足していると主張しました。
 これについて東京地裁は、「甲は退任後も引き続きX社の経営判断に関与して後任の代表者乙への指導や助言を続けていた」と指摘しました。このことに照らすと、甲の退任後の月額報酬は、甲が引き続きX社への関与を続けることを前提として定められたものとみるのが相当であり、報酬減額の事実は、「甲の役員としての地位・職務内容が激変して実質的に退職したと同様の事情にある」とまでは認められないと判断しました。また、甲は上記通達の除外要件である「その法人の経営上主要な地位を占めていると認められる者」に該当するから、甲への退職慰労金は損金算入できないと判示しました。

 弊事務所では、役員の方が退職される際は、実質的に経営に関与しないくらいの判断基準をもって役員退職慰労金を損金算入すべきと考えています。微妙な実質の判断で足をすくわれないようにしましょう。


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