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税理士日記

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法人が契約していた定期保険を個人が承継した後解約

2018/05/22 16:39:21

法人が契約していた定期保険を個人が承継した後の解約

 法人が契約していた定期保険を個人が承継した後に解約し、解約払戻金を受領した場合、払戻金は一時所得に当たるが、法人が支払済みの保険料は必要経費となるか否かが争われた事案で、東京高裁は、納税者の主張を斥けた一審(静岡地裁平成29年3月9日判決)の判断を支持しました(平成29年7月20日判決)。
 A社の代表取締役Xは、A社が契約していた新逓増定期保険の契約者の地位を承継し、その後解約をして解約払戻金を受領しました。しかしXは払戻金について確定申告をしなかったため、所轄税務署長から「一時所得に該当する」として決定処分を受けました。
 Xは、A社が支払済みの保険料は所得税法34条2項の「その収入を得るために支出した金額」に該当するため、必要経費として控除できるはずだとして提訴しました。同項には「その収入を得るために支出した金額」について収入を得た個人が負担した金額に限るというような限定は一切付されていないと主張しました。
 東京高裁は、同項の文言について「支出された」となっておらず、「支出した」となっているのは、収入を得る主体が支出した金額のみ控除の対象とすることを表現しているとした上で、「その収入を得るために支出した金額」が収入を得た個人が負担した金額に限らないとはいえないと指摘しました。一審と同様、Xの主張は採用できないと判示しました。

 以前は、この手法が節税策として紹介されていましたが、現在は、通用しません。今や常識ですが、再確認です。
 

事業承継税制

2018/04/24 15:31:52

次世代経営者への引継ぎを支援する事業承継税制(改正)

 平成30年度税制改正法案の成立により、平成30年1月から10年間、全株式を対象に3人の後継者まで贈与税及び相続税の納税を100%猶予し、5年間平均8割の雇用維持要件を撤廃する「事業承継税制の特例」が創設されました。
 同特例の適用を受けるには、平成30年4月から5年間のうちに後継者の名前や株式贈与のスケジュール等を記載した特例承継計画を都道府県に提出する必要がありますが、これらの手続を規定する「経営承継円滑化法12条1項」の認定に関する省令も3月31日、新旧対照表が官報に掲載され、特例承継計画の提出が4月1日からスタートしています。併せて、省令改正案のパブコメ意見に対する中小企業庁の見解も示されているので、確認したいところです。
 特例承継計画について中小企業庁は、後継者とは新たな代表者の候補者で、代表者から相続等により株式等を取得することが見込まれるもの、あるいは代表者であって、他の代表者から相続等により株式等を取得することが見込まれるものを記載することとしています。株式等を特例後継者が取得するまでの期間の経営に関する具体的な計画や、特例後継者が特例代表者から株式を承継した後5年間の経営に関する具体的な計画も記載する必要があるようです。中小企業庁は、制度の周知やQ&Aの充実などにより、円滑な制度運用の方策を図る方針です。
 適用関係でも注目したい見解があります。贈与税の猶予から相続税の猶予について、「10年間の特例期間経過後に相続が発生した場合に切替確認を行う際も、特例認定の対象」になると回答しました。つまり、贈与税で今回の特例を受ければ、相続の発生が特例期間を過ぎていても相続税の特例を適用できるようです。

 この特例は、優良会社の自社株の評価が多額となった場合、新しい後継経営者に持ち株を引き渡す際の贈与税や相続税対策として、切り札となる税制です。ぜひご検討ください。

借地権価額控除による貸宅地の評価

2018/03/22 19:52:37
 借地権が設定されている土地の評価に当たり、不動産鑑定士による鑑定評価で算定した額は有効か否かが争われた事案で、東京地裁は、税務署長の主張する財産評価基本通達による評価を相当とし、納税者の訴えを棄却しました(平成29年3月3日判決)。
 原告Xは、平成20年に死亡した被相続人の長男で、他の共同相続人らとともに複数の土地を相続しました。これらの各土地は借地権が設定された戸建住宅、賃貸住宅等の立ち並ぶ地域であったため、Xは不動産鑑定士に鑑定評価を依頼し、評価額を算定した上、相続税の当初申告を行いました。ところが所轄税務署長は、本件各土地について「評価通達によらない特別な事情があるとは認められない」として更正処分等を行いました。
 Xは本件各土地について、ほとんどの土地は長期間借地契約が継続しており、建物も経済的耐用年数を超えているにもかかわらず建て替えられていないため、将来完全所有権に復帰する可能性が極めて低いと主張しました。これに対し東京地裁は、Xの主張する低廉な地代を基準とした収益価格による算定は相当でなく、評価通達25(貸宅地の評価)に定める借地権控除方式により算定された底地の評価が直ちに時価を超えることになるわけではないと示唆しました。本件各底地について、借地権価額控除方式によっては適正な時価を適切に算定することのできない特別の事情があるとは認められないと判断し、Xの主張を斥けました。

 相続税や贈与税などの申告に際し、不動産鑑定士などの評価を用いる場合は、相当な注意が必要のようです。特別な事情の有無をしっかり判断することが安定安心につながります。

タクシー通勤

2018/02/23 18:22:43

過大通勤費 タクシー

 通常必要と認められる通勤費の範囲を超える高額な出勤手当は、給与所得に該当するか否かをめぐる争いで、高松高裁は、納税者の請求を棄却した原審・高松地裁平成28年11月9日判決を支持、国側の処分を適法と認めました(平成29年6月27日判決)。
 同判決によると、病院を経営する医療法人Xは、同病院に勤務する非常勤医師や医療従事者に対して支払った往復交通費及び出勤手当について、税務当局から「出勤のために直接必要と認められる費用の範囲の金額を超えている」との指摘を受けました。その上で、当局は、直接必要な費用の範囲を超える部分は給与所得に該当し、源泉徴収の対象になるとして、Xに対して源泉所得税の納税告知処分等を行いました。
 Xは、非常勤医師に対してタクシーでの出勤を前提として出勤手当を支給したと主張しましたが、高松高裁は「実際には、多くの非常勤医師等は自家用車や電車を利用してXに通勤していたことや、Xが非常勤医師に対して勤務地に設置されている駐車場の無料券を交付しており、大学病院から出勤する非常勤医師に対しては、そもそもタクシーの利用に関する説明をしていなかった」と認定しました。税務当局が本件出勤手当に係る非課税対象額の認定に当たって、公共交通機関又は自家用車を利用した場合に支給される金額を基礎として算定したことは不合理とはいえないとして、一審高松地裁に引き続き、Xの請求を棄却しました。

 人手が足りず、お願いして来ていただく場合などでも、その方だけを優遇するわけにはいかないということです。広く皆に説明し、その上でリスクを覚悟して支給すべきですね。

医療費控除

2018/01/22 17:06:10

医療費控除の手続き

 国税庁は、平成29年分所得税の確定申告から適用される医療費控除の明細書添付に当たっての質疑応答を「医療費控除に関する手続について(Q&A)」にまとめて公表しました。
 医療費控除については、セルフメディケーション税制の導入に伴う適用者数の増加に備え、領収書の添付又は提示から、領収書に基づいて必要事項を記載した医療費控除の明細書を申告書に添付する方法に改められました(質疑応答の問1)。ただし、経過措置があり、平成29年分から平成31年分までの3年間は、従来どおり領収書の添付等でも構いません。医療費の一部は明細書、残りは領収書という選択はできません(問2)。明細書の記載方法は問3。「医療を受けた方の氏名」や「病院・薬局などの支払先の名称」ごとにまとめて記載できます。
 「おむつ使用証明書」などの証明書添付も簡略化されます。問4では、寝たきりの人のおむつ代について医療費控除を受ける例を挙げ、医師が発行した「おむつ使用証明書」などを添付等する必要がある場合は、(1)証明年月日、(2)証明書の名称及び(3)証明者の名称(医療機関名等)――を明細書の欄外余白に記載すれば、添付等を省略できます。
 明細書以外にも、「医療費のお知らせ」、いわゆる医療費通知を添付等する場合も領収書の添付等が不要となります(問5)。必要となるのは、(1)被保険者等の氏名、(2)療養を受けた年月、(3)療養を受けた者、(4)療養を受けた病院、診療所、薬局等の名称、(5)被保険者等が支払った医療費の額、(6)保険者等の名称――の6項目を記載する医療費通知のみです。
 問6以降にも医療費通知の取扱いなど、実務上重要な質疑が続いています。熟読が肝要です。

 今までの手続きの方が、シンプルでわかりやすかったと思います。慣れれば簡単なのでしょうか。
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