2022/06/23 19:07:23
外国子会社からの配当金の益金不算入を否認
外国子会社から受けた配当金を益金に算入せずに法人税の申告を行ったところ、制度の対象となる外国子会社には該当しないとして否認されました。大阪地裁は、株式の保有割合が25%に達していないとして、納税者の請求を却下しました(令和3年9月28日判決)。
X社はカナダ子会社A社から約6億円の配当金を受けました。X社は法人税法23条の2第1項の「外国子会社配当益金不算入制度」を適用し、配当金の95%を益金不算入として法人税の申告を行いました。課税庁は、A社が本税制における「外国子会社」には該当しないとして否認しました。X社はこの処分を不服として訴訟を提起しました。
法人税法施行令22条の4第1項2号は、「外国法人の発行済株式のうち議決権のある株式の数又は金額のうちに占める保有株式の割合が25%以上」という要件を規定していますが、この要件に該当するか否かが争われました。X社は議決権割合の26%を保有しているため、制度上の外国子会社に該当すると主張しました。
大阪地裁は、政令で定める「議決権のある株式の金額」とは当然に「株式の額面金額」を意味するが、X社が保有する株式は議決権があるものの額面株式ではないため、X社の「議決権のある株式の金額」は存在しないと指摘しました。結果として、A社は制度上の外国子会社には該当しないと判断し、X社の請求を斥けました。
この判決を見ると、実務において、外国子会社であると判断することが、大変難しいと言わざるをえません。もっと、シンプルに要件を整理していただきたいと思います。このままだとリスクが大きすぎます。