2021/05/23 16:37:29
食券の取扱いを追加
国税庁はこのほど、「在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ(源泉所得税関係)」に新たな設問を2つ追加し、在宅勤務者に対する食券(食事代)を負担した場合の取扱いを明らかにしました。FAQは今年1月の緊急事態宣言の発令に伴い、従業員に在宅勤務手当や在宅勤務時のパソコン使用や通信費等を支払う場合の課税関係を示したものです。
今回追加されたのは、食券の支給について。問8は、在宅勤務者の昼食の補助として会社が契約した特定の飲食店で飲食又は持帰りに利用できる食券を支給するケースで、それ以外の食事の支給はない状況です。結論からいうと、企業が従業員に食事の支給をする場合に、その食事の価額50%相当額以上、かつ企業の負担額が月額3,500円(消費税等の額を除く)を超えないときは、その従業員が食事の支給により受ける経済的利益はないものと取り扱われます(所得税基本通達36−38の2)。つまり、給与課税の必要はないです。同通達の「食事の支給」とは、契約業者から購入した弁当や社員食堂で食事を提供すること等をいうものですが、会社が契約した飲食店を前提に在宅勤務者に食券を支給する場合も容認しました。
問9は問8の応用で、在宅勤務日には食券、出勤日には契約業者から購入した弁当を提供するケースです。こちらも、従業員から食券の額面金額及び弁当の価額の50%相当額以上を徴収し、消費税等の額を除いた企業の負担額が月額3,500円を超えなければOKです。月額3,500円を超えた場合には、その月中に支給した企業の負担額の全額について、従業員に給与課税する必要がある点には注意したいところです。
事業主が従業員に良かれと思って食事を提供した場合に起こる事象です。税務調査で否認されると、忍びない気持ちになります。知っておきましょう。