消費税のインボイス制度のアンケート
来年10月の消費税のインボイス導入まで1年余りと迫ってきたものの、事業者の準備や取引先への対応が進んでいないことが分かりました。東京商工リサーチが8月1日から9日に実施した「インボイス制度」の企業向けアンケート調査(回答数6,441社)によると、「インボイス制度そのものを知らない」は7.5%で認知度は高まっていますが、その準備や対応は鈍く、まだ半数近くの46.7%の企業が取引方針を決めていない実態も分かりました。
周知のとおり、インボイスを来年10月から発行するには原則、来年3月末までに登録申請する必要があります。経過措置があるものの、免税事業者のままだとインボイスを発行できず、(免税事業者から仕入れた)売上先の事業者は仕入税額を控除できないために納税額が大きくなります。これを避けたい事業者が、免税事業者との取引の解消や値下げを要求する懸念があります。一方で免税事業者は、課税事業者を選択すると消費税の納税義務が生じ、小規模事業者ほどその板挟みに苦悩しています。
アンケート結果をみると、インボイス制度の導入後、免税事業者との取引について、「これまで通り」が41.2%である一方、全体の1割近くの9.8%は「免税事業者とは取引しない」と回答し取引中止を示唆するほか、「取引価格を引き下げる」も2.1%あった。ただし、46.7%が「検討中」としており、半数近くは取引方針を決めかねているようです。なお、取引中止を回答した企業は、「大企業」が6.4%、中小企業が10.4%で、中小企業が大企業を4ポイント上回りました。取引継続は資金負担が生じることもあるだけに中小企業のシビアな回答が目立ちました。
免税事業者は、適格請求書発行事業者の登録申請書を税務署に提出して、インボイスの番号をとると、自動的に課税事業者となります。消費税の申告をしなければならなくなります。今まで消費税の10%部分のみが、儲けと言われていた方々は、青ざめておられます。今までの取引先と商売をしたいのに、手取りはなしということになります。何か、救済策が欲しいところです。
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