「鬼滅の刃」制作会社がカフェの売上除外で有罪
人気アニメ「鬼滅の刃」などの制作会社が併営するカフェの売上を隠ぺいし、法人税等約1億4,000万円を脱税していたことが発覚した事件では、東京地裁は、代表者が経理担当者に執拗に脱税を指示していたなどとして悪質性が強いと判断し、有罪判決を下したことが分かりました(令和3年12月10日判決)。
アニメの制作などを業とするX社は、アニメ関連商品の販売やコラボカフェの運営等も手がけていました。代表者の甲は平成27年、29年、30年の3事業年度にわたり、カフェの売上金の一部を自宅に保管した上で、その分の売上を帳簿から除外し、計約4億4,000万円を隠ぺいしました。虚偽の確定申告書を提出して法人税・消費税等計約1億4,000万円を脱税しました。このことが税務調査で明るみになり、甲は起訴されました。
裁判で甲は、アニメ業界ではヒット作に恵まれることは少なく、将来、会社の経営が悪化した時に備えて資金を残しておくために、やむを得ず脱税をしたと主張しました。東京地裁は、甲の手口は巧妙とまではいえないものの、会計担当の妻が売上除外・帳簿改ざん等の行為に消極的だったにもかかわらず、執拗に実行の指示をしていることなどから、脱税の意思は強かったと指摘しました。また、経営悪化のリスクがあるのはアニメ業界特有の問題ではなく、正当な理由とはならないとして、その悪質性を認定し、X社に罰金3,000万円、甲に懲役1年8か月(執行猶予3年)の有罪判決を下しました。
鬼滅の刃で充分に儲かっているように傍目には見えるのですが、こういう事(売上除外)をしてはいけません。執行猶予のついた懲役となっています。
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