低解約返戻金型逓増定期保険の評価見直し
いわゆる節税保険を規制するものとして、「定期保険等の保険料に相当多額の前払部分の保険料が含まれる場合の取扱い」が法人税基本通達に新設されてから2年も経たないうちに、法人契約の低解約返戻金型逓増定期保険の評価を見直すために同通達が改正されることになりそうです。その名のとおり、前半の数年間は返戻金が低く抑えられ、後半になって返戻金が逓増していくタイプです。
今年のGW前後に改正案がパブリックコメントに出され、1か月程度の意見募集後、6月中にも改正通達が出される見込みです。
今回、低解約返戻金型逓増定期保険が国税当局に問題視されているのは、法人契約そのものより、次の手法についてです。まずは(1)法人が契約後数年間、年間保険料を支払います。その間の解約返戻金の額は低く設定したものとし、(2)低い解約返戻金の期間のうちに契約者を法人から経営者個人に名義変更します。(3)その後、一回程度、個人として保険料を支払い、(4)返戻金が逓増の局面に入ったところで解約するというものです。この時点で個人が受け取る解約返戻金の額は大きく跳ね上がっています。いわば、法人契約時代の節税効果を「いいとこどり」するというものです。
現在、想定される見直しの方向は、解約返戻金の額が法人の資産計上額の70%未満となるケースで、評価額の計算方法を見直す模様です。
既存契約について、これから経営者個人に名義変更をしようとしている場合には、どうなるのかなど注目したいところです。
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