中小企業等の優遇税制の期限延長
中小企業者の800万円以下の所得に対する法人税率を15%に優遇する軽減税率をはじめ、主だった中小企業税制はコロナ禍の中、軒並み期限延長の要望が通りそうです。
租税特別措置により19%から15%に引き下げる軽減税率は令和3年3月末に期限を迎えますが、経済産業省は、平成30年度に約96万者が幅広く利用している制度であり、期限切れになると設備投資や賃上げに悪影響を与えることから、令和5年3月末までの2年延長を求めます。
設備投資減税では、即時償却ができる中小企業経営強化税制、中小企業投資促進税制、商業・サービス業・農林水産業活性化税制の適用期限について、いずれも2年延長の令和5年3月末までとすることを要望しています。コロナ禍にある2020年度の中小企業の設備投資計画は、製造業で前年度比1割減、非製造業で前年度比2割減となっており、コロナ後に向けて中小企業者の生産性向上につなげる設備投資を促すのに必要としています。本年4月末に成立・施行されたコロナ特例法において、経営強化税制はテレワーク関連のデジタル化設備が追加されたばかりであり、他省庁が要望するテレワーク関連の設備投資減税に併せて対象設備が広がる可能性もあります。さらにまた、2016年度に7万件を超える利用があった投資促進税制は2018年度に5万4,535件となり、代わりに経営強化税制の利用が2万6,419件と増え、税理士等の認定支援機関が関与する経営強化税制にシフトする傾向が見られます。
コロナ禍にあって、皆が厳しい状態で、本年度、繰越欠損を作った企業も多いと思います。コロナ後に利益をあげ、その利益が青色欠損金の繰越控除を超えることを想定していると思われます。優遇税制のところに届くまで、回復したいものです。
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