国外財産調書の提出状況
国税庁の平成30年分国外財産調書の提出状況によると、提出総件数(令和元年6月末までの提出)は9,961件(対前年比4.3%増)、その総財産額は3兆8,965億円(同6.3%増)となり、平成26年1月の制度施行以来増加の一途にあります。国外財産調書は、その年の12月31日時点で合計5,000万円を超える国外財産を保有する居住者が、翌年3月15日までにその財産の種類や数量、価額等を記載して提出するものです。
東京国税局管内が6,413件と最も多く64.4%を占め、大阪局1,405件、名古屋局719件、その他が1,424件。また、総財産額も東京局が2兆8,458億円と全体の約4分の3に達し、大阪局5,282億円、名古屋局2,190億円となっており、大阪局が5,000億円、名古屋局が2,000億円を突破しました。
申告財産を主な種類別にみると、最も多いのが「有価証券」の2兆1,135億円で以下、「預貯金」5,771億円、「建物」4,360億円、「貸付金」1,880億円、「土地」1,557億円。ここ数年は有価証券が増加し、預貯金が減少傾向にあります。
一方、平成30事務年度における所得税・相続税の実地調査の結果、加算税の特例が適用された件数は、軽減措置が194件、加重措置が245件となっており、加重措置に伴う増差所得等金額が大幅に増えています。なお、現在国会に提出されている令和2年度税制改正法案では、国外財産調書の提出がない場合等の過少申告加算税等の加重措置の見直し等が盛り込まれています。
国外に財産を持たれている方が増えています。有価証券などの金融財産が代表的ですが、この度、国税からメスが入りそうな国外の建物を使った節税などをされている方もいらっしゃると思います。 税務署は国外財産の把握にやっきになっているようです。
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