特定の一般社団法人等に対する課税のあらまし
一般社団法人等に対する相続税課税制度が平成30年度税制改正で導入されましたが、改正法施行前に設立された既存法人が課税要件に該当する場合には施行から3年のうちに何らかの対応が必要です。国税庁はこのほど「特定の一般社団法人等に対する課税のあらまし」を公表していますが、特に被相続人の同族理事が過半である場合の課税要件に注意したいです。
相続税の課税要件を確認しておくと、対象となる特定一般社団法人等は、(1)相続開始直前にその被相続人に係る同族理事が理事総数の2分の1超、又は(2)相続開始前5年以内のうち3年以上、被相続人に係る同族理事が理事総数の2分の1超であったこと――のいずれかに引っ掛かると、その特定一般社団法人等を個人とみなして相続税を課税する。つまり、(1)の相続直前に同族過半の状態を解消するのでは手遅れなので、(2)の同族過半の状態を3年未満のうちに解消しておく必要があるわけです。
ここで既存法人の取扱いが気になるが、改正法の経過措置では、施行前の平成30年3月31日以前はこの過半要件を判定する期間に含まないとしており、国税庁の情報においても、令和3年の3月末までに同族過半要件を解消すればよいことが分かります。既存法人は同族要件に該当する理事の有無を確認しておきたいところです。
一時期、一般社団法人等を利用した相続税の節税策として流行りましたが、メスが入っております。早めの対応が必要です。
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