空き家の譲渡特例における要介護などの認定時期
相続による空き家の譲渡特例は、令和元年度改正により、被相続人の相続開始直前に老人ホーム等に入居などの特定事由により居住の用に供されなくなった家屋や敷地に適用できるようになりました。特定事由とは要介護や障害支援区分の認定を受ける被相続人が老人ホーム等に入居していた場合ですが、この認定時期がいつなのか、このほど公表された改正通達では「被相続人の居住の用に供されなくなる直前」になることが明確化されました。
改正通達に新設された「要介護認定等の判定時期」(措通35−9の2)によると、被相続人が、要介護認定若しくは要支援認定又は障害支援区分の認定を受けていたかどうかは、「被相続人居住用家屋が当該被相続人の居住の用に供されなくなる直前において、当該被相続人がこれらの認定を受けていたかにより判定する」こととされました。
同じく老人ホーム等に入居中に相続が発生した場合でも一定の要件を満たせば適用できる相続税の小規模宅地特例では、老人ホーム等の入所後に認定を受けた場合や申請中に相続が起きて、その後、認定を受けたケースも特例の対象とする弾力的な取扱いがされますが、空き家譲渡特例はあくまでも、要介護等の認定を受けて老人ホーム等に入所といった場合に限られ、厳格に解釈される点に注意する必要があります。
この特例は、相続税の小規模宅地特例よりも要件が細かく厳しいものとなっています。納税者のうっかりミスなど発生しやすい状況です。もう少し弾力的に使い勝手がよいものになってもらいたいです。それでも、法律の主旨は満たすと思います。
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