固定資産税の過大賦課徴収の裁判例
土地に係る固定資産税の減額特例を適用せずに、自治体が誤って固定資産税を過大賦課徴収していた事案で、東京地裁は自治体側の責任を認め、国家賠償法上違法であると判断しました(平成28年10月26日判決)。
原告の甲は所有する土地について、A都税事務所長から一般住宅用地等として固定資産税の税額の通知を受け、通知どおりの額を納付していました。甲は平成16年に本件土地上に建物を建築(不動産登記記録には「養護所」と記載)。
本来、それ以降本件土地は「小規模住宅用地」等として固定資産税の減額措置が適用されるはずであったものの、減額がされないまま過大な徴収が行われていました。甲から本件土地を相続した原告Xも同様に固定資産税を納付していましたが、平成26年10月ごろに、過大に徴収されていることが発覚しました。
裁判では、被告・A都税事務所長から還付を受けられなかった平成17年度分〜平成21年度分までの過納付金相当額の支払が求められました。東京地裁は、被告の国家賠償法上の違法の有無について、「被告評価担当職員は、小規模住宅用地の所有者からの申告の有無にかかわらず各要件の有無を調査し、特例が適用される土地にはその基準に従って算出した価格を評価すべき職務上の注意義務を負っている」と指摘しました。固定資産税の過大な賦課徴収行為は違法というべきと判断しました。
うーん、このような事例は、これから頻発するかもしれません。お役人のチェック機能が問われる状況です。過去の賦課を再確認する必要がありそうです。
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