続々と税制改正
「所得税法等の一部を改正する等の法律案」が2月3日、開会中の第193回通常国会に提出されました。改正の目玉候補だった所得税改革は先送りされましたが、法人税関係ではデフレ脱却に向けての設備投資減税等の拡充にコーポレーガバナンスの視点が加わり、バラエティに富んだ改正メニューとなりました。国際課税の点からは、外国子会社合算税制の見直しに加え、相続税関係で納税義務の範囲の見直しが行われるので、留意したいです。
所得税法改正案からみていくと、配偶者特別控除の見直しにより、配偶者控除が受けられる配偶者の収入制限は103万円から150万円に上がる一方で、新たに配偶者控除に所得制限(本人の合計所得金額が1,000万円以下)が加わります。注意したいのは、平成28年10月からの社会保険料の適用者拡大により、配偶者の社会保険料負担が発生すると、世帯の手取額が減り、配偶者の収入130万円の前後で逆転することです。平成30年分の所得税、平成31年度分の住民税から適用されます。
気をつけたい改正は、外国税額控除の適用を受ける場合にその基礎となる「控除対象外国所得税の額等」を納税者の立証すべき事項と明確化するものです。法人税法でも同様に明確化する条文に改められます。医療費控除は現行の領収書添付に代えて、医療費の明細書や医療保険者等の医療費通知書を添付すればよくなります。平成29年分から適用できるが、平成31年分までは現行との選択制としています。
いつの間にか、私たちの身の回りのルールが変わっていきます。追いつくのが大変です。順次、お知らせいたします。
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