相続関係の民法等改正の中間試案のパブリックコメント
法務省はこのほど、法制審議会民法(相続関係)部会がまとめた「民法(相続関係)等の改正に関する中間試案」をパブリックコメントに付し、9月30日まで意見募集しています。
中間試案のうち遺産分割をみると、配偶者の相続分の見直しの方向性として、一つは被相続人の財産が婚姻後に一定の割合以上増加した場合に、その割合に応じて配偶者の具体的相続分を増やす案です。婚姻後増加額(遺産から被相続人の婚姻時の財産を控除した額)には配偶者の貢献が高いとみて法定相続分より高い割合を乗じる一方、遺産から婚姻後増加額を控除した額には法定相続分より低い割合を乗じて、両者を足した額が現行の配偶者の具体的相続分を超える場合には、配偶者の申立てにより、その超過分を配偶者の具体的相続分に加算できるというものです。
もう一つは、婚姻成立後、20年又は30年経過した場合に、(1)一定の要件(例えば当該夫婦の届出)のもとで、又は(2)自動的に法定相続分を増やすという案です。具体的な増加後の法定相続分は、子及び配偶者が相続人であるときは配偶者の相続分を「3分の2」、配偶者及び直系尊属が相続人であるときは配偶者の相続分を「4分の3」、配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは配偶者の相続分を「5分の4」に増やすものです。
その他、自筆証書遺言の方式緩和として、財産の特定事項は自書でなくてもよいとすることや、相続人以外の者が被相続人の療養看護等を行った場合に一定の要件の下で、相続人に対して金銭請求することができるようにするなども盛り込まれています。
相続関係の民法等の改正は、みなさんの生活に直結します。 注視していきましょう。
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